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旅とデザイン 京都から世界へ・・・

国内外を旅をしながら、デザインとブランディングで各地のみなさまのお役に立つことを目的とした事務所です。デザインが人々にとって価値があるように、またデザインさせて頂いた地域が元気になることを心がけています。


by atelier-bond

''あしたのために 串市''竣工写真

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''あしたのために 串市''


以前も同じくこの木屋町先斗町界隈で営業をされていた''串かつ屋''の移転プロジェクト。移転前の店舗は6.5坪とかなりの狭小店舗。しかし今回は更に狭くなって4坪という、これまでの中であり得ないスケール。デザイン自体が必要なのかどうか?自問自答しながらデザインを進めました。

オーナーからの要望は、
●老若男女問わず足を運んで下さるようなお店。
●雰囲気を楽しんで寛いで頂けるようなお店。

という非常にシンプルな要望。

串かつを出すということと、自分がこのお店のお客である事から、客目線でこのお店がどうあって欲しいか?というアプローチからデザインを始めました。

キーワードは
○ボクシング
○男前店主
○日本的な(先斗町歌舞練場前にふさわしい)
○宮崎県
○狭小
○木
○常連客


○ボクシング
この串市のオーナーは元プロボクサーで、ボクサー客が多く、趣味でボクシングを楽しんでいる方もお店にいらっしゃいます。強靭な鋼の肉体のように、安定感あるデザインのお店をイメージしました。戦うサムライのように例えて、外壁は鋼板の平葺き。これは同時に様々なデザインが溢れるこの界隈に、唯一存在しなかったデザインだったので取り入れました。

○男前店主
串市のオーナー(通称:リョウさん)は男性・女性客問わず人気で、リョウさんの人柄に惚れ込んだお客さんが多く、以前の店舗より更に顔が見えやすく、1対1の対話を楽しめるデザイン。

○日本的な(先斗町歌舞練場前にふさわしい)
京都を代表する通りである先斗町先斗町歌舞練場前という立地に相応しいデザイン。街並を壊さず、この界隈の街並や周辺環境を引導していけるようなデザイン。

○宮崎県
オーナーの出身が宮崎県という事もあり、メニューにも宮崎名物が並びます。そんな中ダイレクトに宮崎という印象を与えるよりも、その地域を彷彿させるような仕掛けを含めたデザインをイメージしました。高千穂峡のような造形美をこの狭小空間で表現しました。薄明光線のような照明もこの高千穂峡に射す幻想的な光からの発想です。

○狭小
高千穂峡のような狭いながらも美しい造形美の中に身を置く事で、何とも言えない快適さが味わえるのではないか?狭小空間だからこそ、お客同士が肩を寄せ合い、語り合う事で、本来の飲食店の楽しみのようなモノを取り戻したく、あえてこの狭小空間を楽しんで頂けるように、天井高を抑えそれぞれが譲り合って、肩を寄せ合えるような空間となっています。

○木
以前のお店も大きな木のカウンターがあり、その温もりを違うカタチで引継ぎたく、また自然な素材に囲まれた空間にいる事で、森林浴のような心落着く空間になるよう、壁面にアールを用いたり、大きく垂れ下がる木のヴォリューム感を表現しました。

○常連客
皆さんに同じ環境で楽しく・仲良く食事やお酒を楽しんで頂きたいというオーナーや自分の気持ちを優先したかったのですが、入口の上に他店舗へのアクセスになる階段のヴォリュームが存在し、カウンターの入口席のみ、''階段下''という不利な空間が発生。その不利な条件を逆手にとって、階段の角度を奥まで引っ張ることによって、階段下という印象を払拭し、あたかもそのヴォリュームが計算された角度であるかのような表現を試みました。カウンター上の斜めの壁の角度はその階段の角度を利用したもので、先の薄明光線もその不利な条件から産まれた偶然の産物です。またこの照明はお客さんの頭の後ろから手元を照らす照明となるため、眩しくないという利点もあります。


狭小店舗だけにデザイナーとしても、細部でかなりの迷いがありました。今となっては''あそこはあぁ〜しておけば良かった''等、悔いの残る部分もありますが、実質設計期間2週間、施工20日(9:00〜17:00限定)の中で、ここまでのクオリティーに持っていけた事、解体後ファサード部分に構造欠陥がみつかり、急遽オーナーと建物所有者と話合いを設け、基礎を造り、柱・桁を抱き合わせる等の構造補強も施さなくなる等の、時間ばかりが無くなる中、妥協せずにデザインを完成させて頂いた工務店、その他職方の皆様には大変感謝しております。

またオーナーはじめ、常連客の皆様から多大な身に余るお言葉をかけて頂き、大きな評価を頂けたことに大変感謝しております。オーナーには最初から最後まで100%の信頼を頂き、忙しい中打合せや現場にも何度も足を運んで頂き、一緒にデザインを完成させて頂けた結果、こういう空間が産まれたと思います。自分としては、自分がデザインしたというより、お客さんが望んでいる'' 串市''を代わりにカタチにさせて頂いたという気持ちが大きいです。

これからも今までと変わらぬご愛顧頂き、皆さんと一緒に肩を寄せ合い、語り合え・集えるような空間であり続ける事をデザイナーとして切に願います。



デザイン:設計事務所アトリエボンド
施工:(有)ベストプランニング
家具:キャビネットメーカーボンド
(※カウンターチェアはオーナー支給)



''あしたのために 串市 ''
営業時間*18:00〜4:00(ラストオーダー*3:30)
定休日 *木曜日
座席  *カウンター5席 ボックス席4席(最大6席可)

〒604-8017
京都市中京区木屋町通り三条下ル材木町178-1第八小橋会館1F MAP
E-mail *info@kushiichi.com
WEB   *http://www.kushiichi.com/
TEL   *075-241-0911





「ツマヨウジから建築まで・・・」
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by atelier-bond | 2009-01-29 23:04 | abデザイン | Comments(0)