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旅とデザイン 京都から世界へ・・・

国内外を旅をしながら、デザインとブランディングで各地のみなさまのお役に立つことを目的とした事務所です。デザインが人々にとって価値があるように、またデザインさせて頂いた地域が元気になることを心がけています。


by atelier-bond

セミナー:暮らしとデザイン

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あっと言う間に11月ですね。毎日朝夕の冷え込みがキツくなり、仕事をするのも精神的に辛い季節です。

週末にプレゼンを終了させて、何とか一段落。手直しや訂正もあるので、安心は出来ません。今夜も打合せ予定です。また今週から店舗のプロジェクトも始まり、まだ未提出のデザインも進めないといけない状況。来客も多く、外出も多いので、こういうタイミングって一気に来ますね。

そんな中で昨日貴重な経験をして来ました。先日ブログにも書きましたが、自分が役員を務めるリヒト京都が主催するセミナーに講師として参加させて頂きました。通常は介護予防の健康体操や認知症予防脳トレを行なっているのですが、リヒト京都では通常の介護だけでなく、これからの高齢者が安全・安心・快適に生活出来るための工夫を様々な業種の人が意見交換して運営しているので、今回はデザインについて。

高齢者とデザイン。なかなか共通項がないように感じられますが、これからは高齢者にこそデザインが必要な世の中になるのです。それをリヒト京都ではいち早く取組み、啓蒙活動しています。そんな事で今回は暮らしとデザインをテーマにパワーポイントでご説明させて頂きました。会場は京都新聞社の大会議室。

独立してからデイサービスのデザインをさせて頂いたり、介護業界の多くの方とお話をしたりする中で、介護施設の空間は介護従事者の方々の意見が中心に取り入れられ、あまり工夫がなく、設計者の立場から見て、中には無駄も多く見られたり、意味がないものがあったりしていました。そんな疑問点をこれまで携わらせて頂いた、デイサービスのデザインやその他の部分で、業界関係者の方々を意見を交わし、独自のプランで創らせて来て頂いているのも事実です。

セミナーの中で一番関心が高かったのは、高齢者が欲しいデザイン誤ったスロープの知識についてです。

説明が長くなるので、簡単にご説明すると、高齢者の方もオシャレをして美味しいものが食べたいのです。どういうことかと言うと、高齢者も当然人間です。欲求が当然のようにあるのです。本当はオシャレな椅子に腰掛けて食事をしたいのです。お話したいのです。しかし現在、高齢者が使う家具=介護用品みたいな扱いで、本当に欲しいものがなく、仕方なく買っている事が多いという事が、最近、高齢者の方々に調査をしてわかって来ました。

それは高齢者の方が意見を言いにくい世の中になっているという事。高齢者の方は自分の欲求を出すと迷惑がかかるのでは?と思われている方が多いのです。まずは高齢者の方の本音(ウォンツ)を聞き出す事が、これからの介護業界を変えるのではないかと思います。

また誤ったスロープの知識については、スロープ=車利用者に安全を促すものみたいな傾向がありますが、それは必ずしも正解ではないと思います。スロープは主に公共施設や病院などで目にしますが、それを一般住宅にも取入れた方がいいという考え方が一般的になっているのに、驚きます。これは介護従事者にもその傾向が多いのです。しかしスロープは施設等において、勾配を屋内では1/12以下、屋外においては1/20以下にしなくてはなりません。1/12とは10cmの高さを上るには、1mの距離が必要ということです。また屋外については10cm上がるのに、2m必要なのです。仮に住宅の入口(道路)から1Fの床までが50cmだとすると、本来10mの距離がないとスロープとしての意味がありません。しかも過去の実体験で1/12という勾配は成人男性でも上るのにかなり苦労します。10mの距離を自分で上がるのはかなり無理があります。

高齢者の場合、自分で車いすを操作する機会はほとんどありません。これは介助者の為に必要なのですが、あまりにも急なこう配のスロープを設置する危険性をもっと考えないといけないのではないか?と思います。それについての解決策や打開策をお話させて頂きました。



参加者の皆さんの興味は思った以上に良く、当初の予定が約30分程オーバーしてセミナーを終了させて頂きました。また質疑が非常に多く、皆さん困った事があってもどこに相談すればいいのかわからない。とりあえず、ケアマネさんや近所の大工さん等にお願いしていて、今回の話を聞いて、もっと考えてリフォームすれば良かったとおっしゃる方々ばかりでした。リフォームをする事が、快適な生活の獲得だとは思いませんが、あまりにも一辺倒な考え方ばかりが標準になっているという危険な状況は、少しずつ変えていかないといけないと思いました。また参加者の皆さんももっと設計士さんがどんどん介入すべきだし、そういう窓口も積極的に設けるべきだというご意見も頂戴しました。




設計事務所アトリエボンド
TEL : 075-922-0527
FAX : 075-922-0528
MAIL atelier-bond@muj.biglobe.ne.jp
Commented by ごる at 2008-11-06 11:26
同居はしていませんが、自分も高齢の両親がいて非常に興味がわきました。
それに、自分が高齢になった時におしゃれじゃないものを我慢して使うのは、やはり嫌ですもんね。
高齢化がどんどん加速していく社会ですから、ニーズも多いでしょうし
これからもツマヨウジさんのお話がきっと皆さんの役に立つと思いますよ。
ますます期待がその肩に!風邪ひかないように頑張ってくださいね。
Commented by akemi at 2008-11-06 19:04
こんばんわ*(‘O‘)*

ある市で健康体操や 脳トレの指導をさせて頂いている akemiです(笑)そして 我がフィットネススタジオの1階はまさしく デイサービスセンターなんです♪ 高齢でもお元気な方 もしくはお元気になりたいという意欲のある利用者さんが多いのが特徴のデイサービスです
2階のフィットネスのインストラクターも 1階の利用者さんに 簡単な体操やバランスボール等を使っての 運動指導をさせていただいています
利用者さんの意欲や好奇心の強さを日々目にしている私は ツマヨウジさんの高齢者にこそデザインが必要という意見に賛同いたします☆☆☆

ブログを 拝見させて頂いていますが お忙しそうですね!!
あっ そうそう以前のブログの串かつ あんまり美味しそうだったので 私達のスタジオでも今度串かつパーティー開催します(嬉)
体に気をつけて頑張って下さい!!
Commented by atelier-bond at 2008-11-09 17:27
ごるさんこんにちは。
高齢者の方はそれだけ長い時間をかけて人生を歩んで来られているので、当然自分たちとは比べ物にならない位、様々なものを見ていらっしゃいます。
それだけ経験豊富な方が、与えられた状況にしか身をおけないという事が、今まで不思議で仕方ありませんでした。
その考え方が偏っているのかと思っていたとき、ライフライトのオーナと出逢い、自分の考えが偏っていない事に気がつき、業界関係者の方と一生懸命取組んでいます。
確実にこれからの福祉は大きく変わります。デザインとかそんなカテゴリ−の垣根を越えていい社会にしたいです。
Commented by atelier-bond at 2008-11-09 17:33
akemiさんこんにちは。
高齢者の方も今までは少し遠慮がちな方が多かったかも知れません。しかしこれから団塊の世代が高齢化していったとき、現在の日本を支えて来られた方々がそれで納得されるとは全く思いません。

逆にいいモノを創られ、いいモノを見て来られた方々なだけに、更なる価値を求めて来られる事は間違いないと思います。そこでどういったサービスを提供出来るかが問題だと思います。

医療・介護もサービスの時代です。介護する側、される側の立場が今よりもっと変わるはずです。自分はただ、誰しもより快適な生活を求めていいのではないか?という視点で考えていますので、必ずしも自分の意見が正しいとは思いませんが、歳をとったから自分の意見が言いにくいというのはどうかと思います。

お互いに隣接する業界なので、いいカタチでお手伝いさせて頂きたいですね。
by atelier-bond | 2008-11-06 08:07 | セミナー | Comments(4)