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旅とデザイン 京都から世界へ・・・

国内外を旅をしながら、デザインとブランディングで各地のみなさまのお役に立つことを目的とした事務所です。デザインが人々にとって価値があるように、またデザインさせて頂いた地域が元気になることを心がけています。


by atelier-bond

香りの記憶

香りの記憶_e0002951_220466.jpg今日も、以前にデザインさせて頂いたクライアントの家に竣工後初、実に2年ぶりにお邪魔した。ライフスタイルが当初と変わって来たので、手を加えたいとの事。2年ぶりにいったその家は予想以上にキレイで、左官仕上をメインにしていたので、多少のひび割れは覚悟していたが、見た所ひび割れ箇所もなく、左官職人が丁寧にしごいた跡もそのままで、当時を思い出した。

現在の生活を色々とお聞きしながら、ちょっとずつ生活に馴染んでいる空間や、汚れ出した外壁や雨の雫の跡がついたぬれ縁の板を見て、「いい感じに錆びて来た」とどこか安心した感じがした。実はここの物件はバン株式会社という不動産の社長から頂いた物件で、ここまで自由に仕事をさせて頂いたのは独立して初めての仕事でした。自分の理想が詰まった物件だけにキレイに残っていたその様子を見て、安心すると同時に「間違ってなかった。」という自信がつきました。

ちょうどぬれ縁の建具の寸法を測っていた時、ふと木の香りがしました。建具の枠に使った「米ヒバ」の香りでした。この「米ヒバ」という木は、水にも強いため独特のキツい香りがする木ですが、時間が経ってちょうど嫌みがない香りに変わっていました。この家、浴室は写真の通り「木のお風呂です。」壁はヒノキを貼っています。風呂桶は「コウヤマキ」という特に水に強い高級な木を使用しています。凄く上品な香りがします。

前にもここで書いたかもしれませんが、自分が木や漆喰等の材料を使う理由は、「健康」を意識してではありません。こういう材料はいつまでも「五感」を刺激してくれるからです。見るだけでも気持ちが癒されたりしますが、その不自然な仕上がり具合に、施工当時を思い出したり、引っ越して来た日を懐かしんだりと、いつまでもその空間との思い出を共有出来るからです。木は削ればまた新しい表情を見せてくれます。ただ健康な家が欲しいなら別にこういう材料を使わなくても設備を充実させる方がいいでしょう。しかしプラスチック製品やクロスなどの製品化されたものでは、このような思い出を共有出来る事はありません。

空調を入れ過ぎて乾燥し過ぎたらクロスも漆喰もひび割れてしまいます。しかし多少の隙間がある家ではそこにある材料が自然に調節してくれます。人間と同じように、肌が乾燥したら水分を欲して、湿度が高ければ湿気を吐き出そうとします。それが自然のサイクルだと思います。いくら優れた機械でもこの調整は不可能です。家も人間も同じかも知れませんが、「過保護」が一番ダメにしてしまうのだと思います。危険をもたらす家は問題外ですが、家は神経質になればなるほど言うことを聞かなくなってしまいます。

香りの記憶を楽しむ位、余裕のある空間を一緒に創らせて頂きたいものです。

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Commented by ごる at 2006-04-20 23:49
人間も少し気持ちにゆとりがあると、何かあったときにテンパったりせず
対処できる…のと似てませんか?やっぱり家も生き物ですし。
我が家はフツーのマンションですからクロスですけど
理想は全部「木」です。ヒバの香り大好きです。
今はテンピュールの枕を使用してますが、以前はヒバのチップが入った
物を使ってました。ベッドに入るのが楽しみな香りでした。
ツマヨウジさんの作られたものの写真を拝見していると
「木」(モク)、多いですもんね。
なかなか理想の家には住めないけど、いつか京都に住めたら
是非よろしくお願いします…いつやろ。期待しないで下さいね。
Commented by non_c_e_male at 2006-04-21 23:41
以前、こうやまきの風呂桶を両親にプレゼントしたことがありました。
私が実物を見たのは、贈ってからだいぶあとでしたが、
それは、自分も欲しくなるぐらいのものでした。
木って、生き物ですよね。
それにしても、いいお風呂だなー。
Commented by atelier-bond at 2006-04-22 01:35
ごるさんこんばんは。
香りってやはり非常に大事だと思います。
人の香りとか、森の香り、海の香りって結構印象に残りますよね?
やはり家もその時代の印象や記憶に残って欲しいものです。
それに五感を刺激するということは、自然に発生することです。
以前子供さんがいるお宅のテーブルを「トチの木」で造った時、
遊びに来る子供、赤ちゃんまでがテーブルを自然に撫でているらしいです。
木が多く使われた家は、日に焼けてどんどん黄色くなっていく様等をみていると、「馴染んで来たな〜」と感動することもあります。
不便なことも多いですが、人間と同じように一緒に年を重ねる空間になるのも、自然のものの良さだと思います。
Commented by atelier-bond at 2006-04-22 01:41
non_c_e_maleさんこんばんは。
高野槙の浴槽をプレゼントされたんですか?
渋いプレゼントされたんですね。うらやましいです。
高野槙は黒ズミにくく、非常に水にも強いですし、香りが最高です。
よく木を住宅に使うと汚れるし、掃除もしにくいとおっしゃる方がいますが、かなり損をされていると自分は思います。
確かに木は使ってから5年未満は非常に汚れが目立ちますが、
それを我慢して掃除をして乗り越えると、いい感じに変化してくるのです。
それに気づかないまま「木は汚れる」と思われている方は、
もっとゆっくりとしたスパンで建築を考えられる事をオススメします。
あまり急ぎ過ぎて考えると見ないといけないモノまで、見落としてしまいますからね。ゆっくりと時間をかけて家を楽しんで頂きたいです。
Commented by thompson28 at 2006-04-22 01:57
素敵なお風呂! 木の香り、いいですね~。
こちらでは バスタブにつかると、目線がちょうどお手洗いの××です。(涙)
あー、こんな素敵なお風呂にゆっくり入りたいッ。
↓のコメントで…また来たいなって思わせるお店のポイントは…
働いている人たち、お店に集まる人たちの雰囲気ですねー。
Commented by atelier-bond at 2006-04-22 02:08
thompson28さんこんばんは。
今、そちらに行ってた所です。偶然ですね。
実はこのお風呂、更にスゴいんです!!
写真の左手から光が入っているのですが、窓があります。
そして湯船に浸かるとその目線の先に「桜とモミジ」が見えるように造りました。
我ながら良くやったと、引き渡すまで何度もからの湯船に浸かって眺めたことか...。
自分自身も気に入ったお風呂です。

お店のいい雰囲気がthompson28さんが行きたくなる要素ですね。
ありがとうございます。参考にさせて頂きます。
Commented by yosikawa at 2006-04-22 10:37
家にも過保護はいけませんね。
無垢のフローリングは汚れやすく、シミもつきやすいので、合板のフローリングに。でも合板のフローリングは冷たいので、床暖を。床暖だけではさむいので、高気密高断熱を。でもシックハウス法で換気扇をつけなければ・・・。
なんだか日本の建築は迷走しておりますね。
Commented by atelier-bond at 2006-04-22 23:50
yosikawaさんこんばんは。
そうですね、人間も家も過保護は良くないですよね。
自分は建築しかわかりませんが、最近の基準法は住宅メーカーや業界大手を意識しすぎていると思います。
結局原点に戻るんですよね。所詮自然の力には勝てません。
勝とうとすることがそもそも問題ですよね。
その辺を人間は忘れてしまっているのではないかと思います。
夏は暑くて、冬は寒いんです。だから「安藤忠雄氏」の建築は評価されるんですよね。
消費者はメディアの影響をどうしても受けてしまうので、プロが頑張らないといけないと思います。
でも日本人は少し神経質すぎるのかな?と思います。
もっと適当に考えたほうがきっといい空間が生まれますよ。
by atelier-bond | 2006-04-20 22:00 | デザイン | Comments(8)