そもそもリノベーションとは?
リフォームでない方が良い
以前から60歳以上の方からの改修工事の設計依頼を頂きますが、最近無料相談会で60代以上の方からのご相談が多く、課題も共通しているので、60歳以上の改修工事での注意点含め、残しておきたいと思います。
よくリフォームとリノベーションを同意語として使われる場面に出会いますが、アトリエボンドでお伝えする時は、以下のようにご説明します。
リフォーム : 新築の状態を100と数値化すると、経年変化によって、建物の状態と価値(不動産価値とは違う)が50になってしまった状態を、より100に近づけるように手直しすること。
リノベーション : 新築の状態を100とし、劣化によりその数値が50になった状態を100に戻すのではなく、全く違う価値観(数値化できない)のものに変える行為。
人間の身体と同じ
人間と同じく家も歳を取ります。リフォームとリノベーションを人間の身体に例えると、リフォームは歳を重ねて皮膚がたるみ、シワになったものを目立たなくする所謂『アンチエイジング』のような感覚に近いと思います。
リノベーションは、曲がった背骨をまっすぐにしたり、歩けなくなった股関節を人工関節にして、走れるようになるような(身体だと非現実的)、外科的手術を含むようなものです。なので、間取り変更の事をリノベーションという人がいます。
家を触るタイミング
これまでの経験上家を触るタイミングは3回あります。
1回目 : 新築時
2回目 : 60代(定年退職がきっかけ)
3回目 : 要介護時(1人で生活し辛くなる時)
意外に多いのが60代(この辺)で改装した人の住まいを、10年以内に更に数百万円以上かけて改装することがあります。
新築時は理想を描いて住まいを作られますが、60代では古くなったので、改装されることが多いです。
70代以上では、身体の衰えによる不便さ不自由さから、介護保険以上(介護保険では賄いきれない)の金額で改修工事をされます。70代以上での改修工事は意外に費用がかかります。
将来を想定して改修提案します。
アトリエボンドでは、介護施設のデザインやコンサルティングを行ってきた実績があり、また障害を負われて身体が動かなくなった方の住まいも経験しております。それらの経験により、これから想定される身体の衰えや環境変化に応じたデザインのご提案を致します。
介護視点や機能的だけではつまらない
身体の衰えは仕方ないにしても、精神的な衰えは多少コントロール出来ます。趣味や好きな事を取り入れたデザインをご提案致します。
気持ちを明るく、社会とのつながりを持ち続けることで、よりアンチエイジングとしての住まいに効果があると考えております。
60代のリノベーションのススメ
60代のご夫婦、単身、二(三)世帯に共通する事で、このタイミングでリノベーションされる方にオススメしている内容を以下に(優先順位と共に)挙げます。
寝室内にトイレを設置(優先度 : 大)
60代以上の方にお聞きすると、多い方で寝ている間に3回トイレに行かれるそうです。少ない方でも1回は起きてトイレに行かれるため、歳を重ねられると更に頻度が上がり、必須とお考え下さい。しかし最も躊躇されるので、使いやすさや快適性を含めデザイン致します。
⭐︎浴室も隣に再配置される事をお勧めします。
住まい全体の断熱性能の向上(優先度 : 大)
歳を重ねられると寒さにも敏感になられます。浴室でのヒートショックによる急死は有名な話で、年間1.9万人、交通事故死亡者の約3倍と言われています。ヒートショック対策も必要ですが、体温が下がる事で様々な病気を引き起こしやすくなると言われています。
また年金のみで生活されている方は、将来の光熱費を気にされる方が多く、床、壁、天井を断熱するだけで、将来の光熱費を大幅に抑えることも可能です。
減築(優先度 : 小)
ご予算に余裕がある方にご提案することが多いのですが、特に地方の田舎では、ご夫婦2人暮らしで使っていない部屋が2〜3あったりします。特に2階にある場合は、余計な荷重が建物に掛かったり、使っていないのに、屋根や外壁の修繕もしなければならず、それだけで数百万円の改修費が必要になることがあります。タイミングやご予算によって減築する事で、より快適に明るく住みやすい住まいをご提案出来ます。
手すり等を想定(優先度 : 大)
手すりは本当に必要になった時に取り付ける事をお勧めします。お世話になっているケアマネージャーやヘルパーにご相談して介護保険を活用して工事される事をオススメしますが、いざつける時に下地がないという事が多々あります。そうならないように壁に下地を入れておく事で、いざ手すりが必要になった時にスムーズに工事が行えます。(事前に位置と高さの想定が必要)
外回りを修繕する(優先度 : 中)
こちらも資金に余裕がある方なら間違いなくしてもらいたい工事です。壁と屋根の葺き・張替え若しくは塗り替え、サッシも出来れば気密・断熱性能の高いものに入れ替えた方が良いでしょう。全体のサッシが無理であれば、リビングや寝室、お風呂など生活する上で必要な箇所に絞って入れ替えされる事をオススメします(サッシを変える場合、断熱工事も必須)。60歳から20年手入れしなくて良いと考えると、60代のタイミングで改修される方が良いでしょう。
以上のように、60代でのリノベーションは判断が非常に重要になります。今の60代の方は皆さん元気でお若いので、先々の事を考えて出来るだけ費用を抑えて・・・、とお考えの方もいらっしゃいますが、費用を抑えたつもりが数年後や10年以内に更に数百万円支払う事になると、非常に無駄も多く、重複する工事もあるため費用ももったいない。これまでもそういう改修工事を何度も経験しました。
第二の人生を楽しく豊かに暮らすためにも、少し踏み込んでリノベーションについてお考え下さい。ご不明な点はアトリエボンドに是非お問合せ下さい。
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『ツマヨウジから建築まで・・・』
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