小さなこと
2008年 10月 09日
ここ数ヶ月早起きを心がけて来ましたが、最近朝が辛いです。そう夜が遅いからです。何故か毎年この季節は仕事が忙しく、あっという間に師走に突入。その序章の幕開けです。ここ数週間、家具の図面を描きまくり、あるプロジェクトのプランを考えたり、役所を回ったり、新たなプロジェクトの相談を受けたり、とバタバタしていると、またいいお話がありました。実行すれば、かなりの規模の仕事になるでしょう。
そんな大きな出来事もあったのですが、今日は小さなことを・・・。
人間の体は非常に敏感に出来ており、皮膚からの感覚というのは、なんと繊細なものでしょう。特にこういう仕事をしていると、いろんな素材をさわったり、あらゆる細部に気を配ります。今日は長い時間を費やして、ようやく製作にかかれた家具の引手部分。ちょっとしたアールの部分や深さ、厚さによって人間の指先の感じ方は変わります。感じ方が変わるというのは、力加減が変わるという事です。
指が入る奥行きがあればいいという訳ではなく、奥行きがあっても深さが足りなかったり、深過ぎても今度は力が入らない等、様々な問題点が見え隠れします。そんな事を繰り返しながら、二つの引手のディテールに絞り、最後は左の引手を採用し、下の写真のような形状になりました。・・・がここから更に小さなアールの付け方を決めたりしないといけないので、これで終わりではありません。
こだわらなければ別に大した事ではないのかも知れませんが、せっかく繊細な皮膚の感覚をもっているのですから、それを活かす手はありません。好みもありますが、こうした小さなことへのこだわりが、大きなモノへとつながっていくのですから、小さい事こそこだわりが必要なのではないのでしょうか?
''神は細部に宿る''と言ったあの人の言葉が教訓になればいいのですが・・・。
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