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旅とデザイン 京都から世界へ・・・

国内外を旅をしながら、デザインとブランディングで各地のみなさまのお役に立つことを目的とした事務所です。デザインが人々にとって価値があるように、またデザインさせて頂いた地域が元気になることを心がけています。


by atelier-bond

家づくりを味わう

家づくりが一生に一回のビッグイベントであるなら、家づくリを通じて一生に一回の体験をして頂きたいのです。



家づくりは一生に一回のイベントと言われていますが、安易に買う、建ててもらうだけでなく、積極的に参加して頂き、設計者や施工者、生産者や製造者と顔を合わせ・話をして家づくリを一緒に経験して頂きたくて、このような家づくリをご提案しております。


今回笠岡のクライアント様は、熊本県産の構造材と化粧材を使う事になりました。そこで熊本県の材木の産地と同時に熊本観光も楽しんで頂きました。

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熊本駅で待ち合わせをして、地元材木会社S専務の運転で産地へ向かいます。途中熊本県の観光名称である霊台橋を見学。ここは1847年に出来た石造の橋です。このアーチは木材で型を造り、それに沿って石を積み上げ、型を外すとこのようなカタチが出来上がります。当時と寸分の狂いもなく、今も存在しています。素晴らしい造形美です。熊本は木材だけでなく、熊本城の城壁に代表されるように石造の技術も高く、至る所でその様子がうかがえます。
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続いて九州のパワースポットとして有名な弊立神宮。数百年を越える大木が何本も立っています。存在感と張りつめた緊張感のようなシーンとした空気が漂います。
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雨の中大型バスも止まり、山奥ですが沢山の観光客が来られています。
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今回の産地見学には、いつもお世話になっている『木のコーディネーター木童』さんも同行して頂いております。ちょうど切り倒された大木の切り株を見つけて、即席レクチャー。年輪の数え方と年輪が表す意味、家づくりに於いて重要な部分とそうでない部分等の説明をして頂いております。
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場所を移して、円形分水工を見学。これは後で見学する有名な通潤橋に水を流すために、高低差を利用して水を迂回させるという極めて高度な技術を用いた土木工事です。
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説明図。引込み口から高低差を利用して水を送り込み、下から水を沸き上がらせて、二方向へ水を流します。単純ですが、仕組みは複雑です。スゴイ技術です。一同感動!
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そしていよいよお目当ての通潤橋へ。これは水不足に悩む集落に谷を越えて水を渡すために造られた橋です。よく見かける橋の上から放水する絵があると思いますが、あれは橋の中を通る3本の石の管の中の泥や砂等を排出するために放水していたそうです。今では放水1回に一万円(要予約)かかるそうで、運良くどなたかが支払った1万円で見られるときがあります。
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そしてメインの材木見学へ。こちらは山で切り出された木が集められ、競りをかけられる場所。大きな丸太から小さな丸太まで、集まって来ます。こういう場所が何カ所もあります。
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そして丸太を見た後は林道を通っていよいよ山の中へ。日頃林業家の皆さんが手入れされているお陰で、光がたくさん入り、林道も歩きやすく見学が容易になりました。こちらではいい森と悪い森の例を見せて頂きました。いい森は間引きされ、光が多く入るお陰で木が太くなり、土も肥えていますが、悪い森は日が入らず、竹や雑草だらけ、木もどこか細く暗い森になっています。また枝打ちもされないので、節だらけの木になります。
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山を堪能した後は、車で移動。熊本市の南にある宇土市へ。こちらとのご縁が今回熊本産材を使う理由となりました。一同宇土城址へ。宇土城には現在城壁しか残っていませんが、こちらの城主が小西行長で、実は笠岡の家の敷地内には、関ヶ原の合戦で敗れた小西行長の子息が流れ着いたという言い伝えがあり、大きな石碑が建っているのです。その関係から今回宇土の上流である緑川流域の、熊本県産材を使用する事に決めました。ちょうど木童さんから『熊本県産材も良質なので使いませんか?』というお誘いがあり、タイミングが良かったので、即決!となりました。
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小西行長は元々キリシタンで、ハーフだったそうですね。初めて知りました。クライアント様も小さな頃からご両親に話を聞かされていた事もあり、興味津々でした。初めてのご対面?です。
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1日山にいるとお腹も減ります。山と木と歴史・文化を堪能した後は、熊本の郷土料理を堪能して頂きます。お店の方が出して下さったイサキとタコのお造り。イサキは本来夏の魚ですが、温暖化の影響なのか?11月でも獲れるそうで、美味しいからとご用意下さいました。タコも採れたてで新鮮です。
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熊本の郷土料理とお酒を楽しみながらの親睦会。木や山、家の事についての熱い想いをお互いに語ります。顔と顔を合わせる家づくりは本当に大切だと思います。やはり顔が見える相手とそうでない相手とは、人間ですからどうしても思い入れが違いますよね?やはり心と心が通って初めて、いい家、丁寧な使い方が出来ると思うのです。クライアント様も『これだけ見せて頂ければ、家が出来た後は絶対に丁寧に使うと思います。』と、楽しみながら、これから出来る家を想像して下さいました。こうした出会いも体験も、この家づくりがないと出来ないですよね?素敵な時間でした。
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続いて二日目。朝から今度は加工場の見学です。こちらでは山から運ばれた木がどのように乾燥し、どのように加工されるかを見学して頂きます。ここまで来るとクライアント様も木に対しての興味が全然違います。一般の方の一生分、木に触れ木の事を勉強されたと思います。ここでもまた違う勉強に興味津々。
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ちょうどS専務の会社では薪ストーブも扱われていましたので、導入を決められている夫妻に実際に体験して頂きました。初体験とあってその暖かさにビックリされていました。こちらで導入について間違いと実感して頂きました。
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木材会社でしっかりと木の勉強をして頂いた後は、クライアント様のご好意もあり、ちょうど足場の取れた京町の家(熊本市)を見学。こちらで大工さんから家の施工や木についてのレクチャーを受ける笠岡の家のクライアント様。こちらの大工さんは未だに手刻みが出来る腕のいい大工さんなので、木に関しての知識が半端ではありません。自分たちもいつも勉強させて頂いているだけあって、素人を引込むだけの木や現場の話をお持ちです。この大工さんに即席で造って頂いた角材を『記念ですから』と大事に持って帰られました。






駆け足でしたが熊本の産地ツアーが終了しました。自分たちの住まいを守る構造材。人間の背骨と一緒で最も大切な部分です。もちろんこれらを扱う工事も大切ですが、材料が悪ければいくら上手に工事をしても、限界があります。それは過去の建築が証明しています。なのでアトリエボンドではこの構造材にこだわるのです。構造材が背骨であれば、目に見える内装は皮と同じです。皮は化粧すればキレイになりますが、背骨は悪くなると治すのが大変ですよね?逆に言うと背骨(構造)さえしっかりしていれば、小額で化粧の部分をキレイにすれば、家は長持ち出来るのです。化粧は見える部分。構造は隠れる部分。隠れてしまうから、隠れる前にしっかりと監理して、すこしでも長持ちする家に住んで頂きたい。そういう想いで『みんなで創る家づくり』をしています。顔を合わせるから、会話するからお互いを想い、お互いを思い出し、そして家が出来る背景が住まい手にとっての一生の思い出となり、また10年後や20年後、家と共に成長した家族で産地を訪れて頂いたり、産地がご夫婦、ご家族にとっての思い出の地となる事を願っています。しっかりと見学して頂いたので、今度は建築の出番です!頑張りますよ!












アトリエボンドの事業は京都府の承認を頂いた事業です。
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「ツマヨウジから建築まで・・・」

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『売上につながるデザインマーケティングセミナー』(講師)

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by atelier-bond | 2012-11-26 08:01 | 生産地見学 | Comments(0)